足を洗う

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今回は「足を洗う」

という慣用句の紹介です。

 

もちろん、せっけんなどで

物理的に足を洗うことではありません。

ことのは先生
ことのは先生
海外では
足じゃない
部分を洗うんです。

では、今回は

そんなちょっとした雑学から

意味、語源、類語、対義語などを

解説していきたいと思います。

「足を洗う」の意味、英語は?

意味

まず、「足を洗う」とは

「一般的に悪とされる物事との

関係を断つこと」を意味します。

 

例えば、

「学生時代にやんちゃだった知人が、

社会人になったころには

真面目になっていた時」

この知人の変貌を

「彼は足を洗っんですね」

と表現することができます。

 

最も近い意味を持つ英語は

「wash one’s hands of」

となります。

 

これをそのまま訳すと、

「手を洗う」となります。

 

これの意味がなぜ近いかと言うと、

キリスト教の故事の中に

「何かを諦めて関係を断つこと」

の意味で使われているためです。

 

そのため、

海外では足ではなく手を洗うことが

同じような意味を持つんですね。

 

また、これらの英語も

「quit」

(さまざまな悪い行いを)辞める

「get out of ~」

(悪い行いから)離れる、距離を置く

なども該当します。

「足を洗う」の語源は?

語源

次に、この慣用句の語源を説明します。

 

諸説あるのですが、

最も有力とされている説は

仏教が由来しているというものです。

 

昔の僧たちは修行をする為に、

裸足で移動していました。

 

彼らが修行を終えて寺へ帰ってきた時、

泥でひどく汚れた足を洗うことを

俗界の煩悩を清めたとして、

仏業に入っていました。

 

この意味が現代に至るまでに変化し、

「足を洗う」

=「悪いことを洗い流す」

=「悪いことから離れ、関係を断つ」

という意味になりました。

「足を洗う」の対義語、類語は?

対義語

最後に「足を洗う」と反対、

または似た意味をもつ言葉を紹介します。

 

まず、対義語には

「手を染める」があります。

 

例えば、

「犯罪行為をした人のこと」を、

「犯罪行為に手を染めた人」

と言い表すことがあるように、

「悪い行いと関係を持つこと」

を意味します。

 

続いて、類義語には

「手を切る・足を抜く・身を引く」

などがあります。

 

これらは「悪い物事から離れる」

という根本の意味は同じですが、

「何から離れるか」が多少異なります。

 

その対象が

「手を切る」は「悪い人間関係」

「足を抜く」は「悪い生活環境」

「身を引く」は関係を断つ物事が

必ずしも悪いとは限らないため、

「比較的多くの状況で使える」

ようなニュアンスをそれぞれ持っています。

 

どうでしたか?

ちなみに、今の仕事を辞めて

新しい仕事を始める時も、

「足を洗う」を使うことができます。

 

ただ、こういった時に使うのは、

前の仕事の印象が悪く見られる

ことがあるので注意して下さいね。

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。