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「麓」という言葉は、

頻繁に使われるような言葉ではありません。
 

それでも、聞き慣れていて、

言葉の意味はわかっている

という人がほとんどだと思います。
 

しかし、

意味は1つだけでしょうか?
 

今回はそんな

「麓」の意味や漢字の成り立ち

についてまとめてみます。
 

「麓」の読み方、意味は?

まず、読み方は

訓読みでは「ふもと」

音読みでは「ロク」

となります。
 

「麓」の意味は

  • 山の裾
  • 山の下の方
  • 山を取り囲む平野からの登り口の地域

という意味があります。
 

一般的に、この意味で使われる事が多く、

その他の意味で見かける事はあまりありません。
 

この意味しか知らない人も多いと思います。
 

「平野からの登り口」「山の裾」

という言葉が示すように、

山と平野の境界線と

その周辺の地域の事を指しています。
 

 
また、「山の下の方」というのは、

平地に近く山の傾斜も

ゆるやかになった所に、

木が立ち並んで森や林になっている事が

多くあります。
 

その事から、「麓」は

「大きな林」「林」

という意味も持っています。
 

この「大きな林」という意味は、

後述する「麓」の漢字の成り立ち

に関わっています。
 

さらに、これらの意味で使われるうちに、

  • 山を見回って番をする人
  • 山林を管理する役人

の事も「麓」と言うようになります。
 

このような意味を持つ「麓」ですが、

現代では林が切り開かれて

山の近くまで人が入り込んで生活している事で、

昔の「麓」のイメージとは

異なる所も多くなっています。
 

「麓」の漢字の成り立ちは?

「麓」という漢字は、

上部の「林」と

下部の「鹿」から成り立っています。
 

「林」は、木が並び立つ形からできていて、

「木が多く集まって生えている所」

という意味があります。
 

 

「鹿」は、

角のある雄鹿の形からできていて

「しか」を意味しています。
 

ここで「鹿(ロク)」の部分は、

「麓(ロク)」を表す時に

その音を取ったものであり、

似た音の「絡(ラク)」の意味から

「長く連なって列を成す」

という意味を持っています。
 

この事から、

「山の下の方にある長く連なる林」を表す

「麓」という漢字が作られました。
 

「麓」の意味は、

  • 山の下の方
  • 大きな林
  • 山林を管理する役人

などの意味があり、

初めて知った人もいると思います。
 

 
これから先も、

「麓」という言葉を、

これらの意味で使う事はないかもしれません。
 

しかし、知らない意味を知る事で、

言葉の印象や受け止め方が変わり、

その言葉を、より正しく使う事ができます。
 

知らなかった意味を知って、 

言葉をより正しく使えるようになりましょう。
 

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。