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「粋な事をする」「粋な人だ」など、

「粋」という言葉を耳にする事もよくあります。

 

それでは、

「粋」の意味を説明できるでしょうか?

 

「これが粋だ」とはっきり

言えるものがないだけに、

説明も難しい言葉だと思います。

 

今回はそんな「粋」の意味、読み方

や語源についてまとめました。

「粋」の読み方別の意味とは?

 
「粋」の読みは、「いき」「すい」です。

 

それぞれの読み方で、

少し意味が違っています。

 

「いき」と読む場合
 

 
「振る舞いや身なりがさっぱりとし、

色気がある事」

「人の気持ちをよく理解している事」

などの意味があります。

 

「すい」と読む場合
 

 
「まじりけがない事」

「優れている事」

「世の中や人の気持ちをよく理解している事」

などの意味があります。

 

「粋(すい)」は、上方(京都周辺)

における美意識の1つで、物事を純粋に

突き詰めていく事でたどり着いた、

完成されたものとして扱われています。

 

また、

「粋(いき)」は、江戸で発生した美意識の1つです。

「粋」の語源、由来とは?

 
元々は「意気」という言葉であり、

気概や強い意志の事でしたが、

そのひたむきさが、まじりけがない、

物事を純粋に突き詰めていく

「粋(すい)」と重なり、

「粋」という漢字が使われるようになりました。

 

「粋(すい)」と「粋(いき)」

を違うものとして扱うか、

同じものとして扱うかは、

それぞれの考え方があり定まっていません。
 

「粋」に含まれる3つの意味とは?

 
「粋(いき)」には

「媚態」「意気地」「諦め」

の3つの意味が含まれている

という考え方があります。
 

 
「媚態」とは、

人の機嫌を取るために媚びる事を言います。

ここでは特に色事を意味していて、

男女間での関係を表しています。

しかし、

ただ単に媚びる事を言っているのではなく、

相手の事を熟知し、程よい距離感で

付き合う事ができる振る舞いや

意識の事を言っています。

 

「意気地」とは、

まさに「意気」の事で、自分の信念を通す気概や

強い意志の事をいいます。

 

「諦め」とは、

断念して諦める事ではなく、

欲を出さず執着心をなくし、

さっぱりとした心持ちでいる事を言います。

 

「粋(いき)」とは現在でも使われる

他の国にはない日本の美意識の1つです。

 

江戸時代に発生した美意識を、

現在にそのまま当てはめる事は難しいと思います。

 

それでも、今もなお使われているのは、

多少の美意識の変化はあっても、

「粋(いき)」という美意識の根底の部分が

現在でも通用するという事に他なりません。

 

このような日本に昔からある美意識を

大切に守っていきましょうね。
 

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。