身から出た錆

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慣用句の「身から出た錆」と聞くと、

「正しい意味は何?」

「そもそも身と錆って何だ?」

などと思う方も多いでしょう。

ことのは先生
ことのは先生
英語ですと、
直訳
・Rust from the body.
意訳
・You had it coming.
・You asked for it.
と表現されます。

それでは、

意味、類語、対義語の順に

解説していきたいと思います。

「身から出た錆」の意味は?「身」の語源は?

意味

まず、この慣用句の意味は

「自分が悪事を働いたことが原因で、

自分自身を苦しめてしまうこと。」

となります。

 

この「身」の語源は元々、

「刀の本体の名称である刀身」

を指しているんです。

 

刀身が空気中の酸素と水分が触れると

錆びてしまう原因となり、

刀自体が使えなくなります。

 

これは、所有者が日頃から

手入れや保存場所に気を配れば

防げる問題でもあります。

 

つまり保管を怠ってしまうことで、

「肝心な時に刀が使えず

自分の身が危なくなること」

から自分自身としての

「身」の意味を持つようになりました。

「身から出た錆」の類語は?

類語

「身から出た錆」を言い換えると、

「自分で自分の首を絞める」

「自分で蒔(ま)いた種」

が代表的な類語と言えます。

 

つまり、

「自分で自分の首を絞める」

「身」→自分

「錆」→自分の首を絞める

「自分で蒔(ま)いた種」

「身」→自分

「錆」→蒔いた種

と言った感じですね。

 

簡単な言葉で表すと、

「報い、ブーメラン」

などでも表現できます。

「身から出た錆」を言い換えた四字熟語は?

四字熟語

四字熟語だと6種類ほどで表現できます。

①「自業自得(じごうじとく)」

自業(自分が行ってきたこと)を

自分が得るという意味です。

 

②「因果応報(いんがおうほう)」

元は仏語として使われていて、

「自分の行いの善悪によって

それ相応の報いを受ける」

という意味を持ちます。

 

③「自縄自縛(じじょうじばく)」

自ら持っている縄で自分を

縛ってしまうことからきた四字熟語です。

 

自分の言動によって、自分の行動が

制限されてしまうという意味を持ちます。

 

他にも

④「天網恢恢(てんもうかいかい)」

⑤「悪因悪果(あくいんあっか)」

⑥「向天吐唾(こうてんとだ)」

なども似た意味の言葉です。

「身から出た錆」の対義語は?

対義語

「身から出た錆」の対義語は

3種類の四字熟語が当てはまります。

 

①「陰徳陽報(いんとくようほう)」

目立たない形で良い行いをする

「陰徳」

表だった形で報いがある

「陽報」

といった反対の意味を持つ言葉が

組み合わさったことで、

より意味を強めた熟語です。

 

②「善因善果(ぜんいんぜんか)」

良いことをすれば、それが元となって

必ず良い報いがあること。

 

③「運否天賦(うんぷてんぷ)」

人の運、不運は天によって

定められていること。

 

どうでしたか?

ちなみに「錆」は

刀自体を濡らしていなくとも、

・むやみやたらに刀に手で触れる

・湿気の多い場所で保管

・気温差による結露

と言ったことで出てくるそうです。

 

最後の締めで強調するような

雑学ではないかもですね。

 

最後まで読んで頂き

ありがとうございました。

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。