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「渡す」はビジネスの場で
使うことが多い言葉ですよね。
hand over
pass over
などと表現できます。
英語ではシンプルですが、
日本語の敬語となるとやはり
日本語の難しさが出てきますよね。
例えば、
「お預かりした書類はお渡しさせて頂きます」
「社長にこの書類をお渡し願います」
実はこの2つの例文、2つとも間違いです。
理由は誤用される定番の
「二重敬語」になっているからです。
では、さっそく正しい
「渡す」の尊敬語・謙譲語・丁寧語を
解説していきたいと思います。
「渡す」の尊敬語は?
「渡す」の尊敬語は
①「お渡しになる」
②「渡される」
となります。
①「お渡しになる」は目上の人に対し使う
尊敬語定番の「お」が渡すの前に付き、
語尾に「になる」がつきます。
使い方として
「先輩から明日お渡しなりますか?」となります。
②「渡される」は「渡す」に
助動詞である「れる」が加わった言葉です。
使い方として、
「お代は幹事に渡されてはどうでしょう。」
などと、アドバイスを含めた感じで、
使うこともできます。
「渡す」の謙譲語は?
「渡す」の謙譲語は
③「お渡しする」
④「お渡しいたす」
となります。
③「お渡しする」は自分に対して使い、
「お渡しする」の「お」は自分の行動が
相手に敬意を払っている意味合いがあります。
使い方は「取引先にお中元をお渡しします。」
などと使います。
注意点として
「取引先にお中元をお渡ししましたか?」
のように相手に対しては使えず、
自分より目上の人に対しては必ず尊敬語で
「取引先にお中元はお渡しになりましたか?」
と、混同しないように注意して下さいね。
④「お渡しいたす」は、
少し違和感があるかもしれませんが
自分から渡すことを言います。
使い方として
「社長に、このお花をお渡しいたします」
と、丁寧語である「ます」を
組み合わせて使うのが一般的です。
この敬語をビジネスに適した類語として、
「提出する」という言葉があげられます。
実際にメールなどで資料を渡すときに使われます。
「納品書を提出いたします。」
のように使われます。
「渡す」の丁寧語は?
「渡す」の丁寧語は
⑤「渡します」
となります。
基本的には「です・ます」をつけることが、
丁寧語の基本表現になります。
「渡します」は連用形の「渡し」から
助動詞である「ます」が加わった形です。
ちなみに、丁寧語は他の表現方法に対し
敬意の度合いが少し低いです。
ですから上司や先輩だけでなく、
親しい人や同期などにもただ丁寧に伝えれる
汎用性のある表現とも言えます。
使い方として
「この書類を、〇〇さんに渡しておきます」
こんな感じに使います。
どうでしたか?
尊敬語は「お渡しになる」「渡される」
謙譲語は「お渡しする」「お渡しいたす」
丁寧語は「渡します」
となります。
丁寧にしようとし過ぎると、
違和感のある言葉となってしまうのが
日本語の難しいところです。
敬語でややこしいのは尊敬語と謙譲語なので、
特にチェックしておいて下さいね。
この記事の監修者
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