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「兎にも角にも」という言葉を
聞いたことがありますか。
聞いたことがあるか以前に、
漢字をどう読めば良いのか分からない
という人もいるかもしれません。
「兎(うさぎ)」「角(つの)」
という漢字が使われていますが、
これは「とにもかくにも」と読みます。
そこで今回は
「兎にも角にも」という言葉の
構成、意味、類語などをまとめました。
「兎にも角にも」の言葉の構成とは?
「とにもかくにも」という言葉は
古語から来ています。
これは
副詞「と」+格助詞「に」+
係助詞「も」+副詞「かく」+
格助詞「に」+係助詞「も」
と分解されます。
また、
副詞の「と」は
「あのように。そのように。そう。」
副詞の「かく」は
「このように。こう。こんなに。」
を意味します。
したがって、
古語の「とやれ、かくやれ」は
「ああしろ、こうしろ」
と訳されることになります。
「兎にも角にも」の意味は?
それでは、
古語の「とにもかくにも」は
どのような意味になるかというと、
次の二とおりの意味があります。
1「ああともこうとも。」
(古文)
「世の中にいとものはかなく、
とにもかくにもつかで、
世に経る人ありけり」
(蜻蛉日記)
(訳)
「世の中にとても頼りなく、
ああともこうともつかないで、
この世に生き続けている人があった」
2「いずれにしても。ともかくも。」
(古文)
「とにもかくにも、虚言多き世なり」
(徒然草)
(訳)
「いずれにしても、うその多い世の中である」
このようなことから、
現代語では
「あれにもこれにも。
何にも。何にせよ。ともかくも。」
という意味になります。
なお、
「ともかくも」は
「どのようにも。なんとも。
どのようにでも。なんとでも。
はさておき。は別として。
何にせよ。とにかく。」
を意味します。
「兎にも角にも」の類語は?
「兎にも角にも」には
ほとんど同じ意味の
「とにかく」「ともかく」
の類語があります。
では、
それぞれの意味を見てみましょう。
「とにかく」は
「あれこれと。何やかやと。
それはさておき。何にせよ。」
という意味があります。
「ともかく」は
「・・・はさておき。
・・・は別として。
どのようであろうと。何にせよ。」
という意味があります。
これら三つの言葉は、
大差がないと言えるでしょう。
私たちはある言葉の意味を
理解しようとする場合、
ついその言葉に使用されている
漢字を意識してしまいます。
つまり「兎にも角にも」の
「兎(うさぎ)」や「角(つの)」
といった漢字を目にしてしまうと、
「その言葉に関係があるのではないか?」
と想像してしまいます。
今回はそれらからは
全く想像できない意味でしたね。
これが日本語の面白さであり、
難しさでもあるかもしれませんね。
この記事の監修者
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