怖い

この記事は約 5 分で読めます。

今回は怖い意味の四字熟語を

紹介したいと思います。

 

紹介する数が少ないと思う方も

いるかもしれませんが、

意味や由来なども紹介しているので

「ためになった!怖い!面白い!」

などと思ってもらえたら嬉しいです。

ことのは先生
ことのは先生
「怖い」の
類語では
・恐ろしい
・悲惨
・畏れ
英語でも
・frightening
・ghostly
・strange
など、一口に
怖いと言っても
様々な表現があります。

では、今回はそんな

「色々な意味の怖さ」を持つ四字熟語を

紹介していきたいと思います。

「怖い意味」のある四字熟語7選!

①「生殺与奪」

生殺与奪

◇読み方
せいさつよだつ
◇漢字レベル
生(せい):小学1年
殺(さつ):小学5年
与(よ) :中学生
奪(だつ):中学生

 
現在での使い方として

「わが社の生殺与奪の権利は、

社長の奥様にある」などと使います。

ことのは先生
ことのは先生
「生殺与奪」
の意味は
①生かす、殺す、
与えるを奪う。
②自我の思うように
支配する。
③権力をもっている。
になります。

<怖い意味だと感じる理由>

「生殺与奪」の由来は古代中国にあります。

 

荀子(じゅんし)という思想家が記した

「殺生與(せっしょうこうだつ)」

が由来となってます。

 

古代中国では当時、

「国民の命は、支配する人が握っていた」

と言う恐ろしい制度でした。

 

ようは、支配者の気分次第で

自由にどの国民も殺せる。と言うことです。

 

それが日本に伝わる時には、

理解しやすい熟語に変化し

「生殺与奪」になったのです。

 

今ではそのような制度はありませんが、

強者が弱者の権利を奪う時の比喩表現として

「生殺与奪」という言葉が使われてます。

 

②「奇奇怪怪」

奇奇怪怪

◇読み方
ききかいかい
◇漢字レベル
奇(き) :中学生
怪(かい):中学生

 
現在での使い方として

「入場するのに顔写真付きの

証明書がないと入れないのは、

私にとって奇奇怪怪だ」などと使います。

ことのは先生
ことのは先生
「奇奇怪怪」
の意味は
・奇怪である
・非常に怪しく思える
になります。

<怖い意味だと感じる理由>

「奇々怪々」と表す場合もありますが、

意味は同じです。

 

「奇奇怪怪」の語源は、

「奇奇:珍しい」と「怪怪:不思議である」

が組み合わさり、

「普通では起こらない様子を表す」

ために四字熟語となりました。

 

「奇奇怪怪」は当初、

「奇怪(きっかい)」と呼ばれていました。

 

奇怪は「けしからぬ様子、不思議な出来事」

といった意味があります。

 

同じ意味の言葉2度繰り返すことで、

強調したいという思いから

1つの文字が2つになり

「奇奇怪怪」となりました。

 

どちかと言うと奇妙や不思議でならない

というニュアンスですが、現代社会では

都合が悪いといったニュアンスで

使用される方がしっくり来るかもですね。

 

③「冷酷無残」

冷酷無残

◇読み方
れいこくむざん
◇漢字レベル
冷(れい):小学4年
酷(こく):中学生
無(む) :小学4年
残(ざん):小学4年

 
現在での使い方として

「冷酷無残な命令を実行した。」

などと使います。

ことのは先生
ことのは先生
「冷酷無残」
の意味は
・残酷で、情感がない
・思いやりがない
・いたわることができない
になります。

<怖い意味だと感じる理由>

「冷酷」が付く四字熟語で

「冷酷無情」があります。

 

「冷酷無情」の意味は、

「思いやりがなく人としての感情がない」

となり、こちらの方が「冷酷無残」よりは

軽い感じがしますね。

 

そしてこの

「冷酷:思いやりがない」「無残:残酷」

と、とにかく残忍なことを示す言葉です。

 

この2つが合わさることで、

残酷さが増しているように思います。

 

類語には「冷血」があり、

「人間としての情けに欠ける」

という意味ですが、やはり「冷酷無残」が

強いニュアンスの言葉であると感じます。

 

④「極悪非道」

極悪非道

◇読み方
ごくあくひどう
◇漢字レベル
極(ごく):小学4年
悪(あく):小学3年
非(ひ) :小学5年
道(どう):小学2年

 
現在での使い方として

「今まで色々な人が居たけど、

あそこまで極悪非道な人間は初めて見た。」

などと使います。

ことのは先生
ことのは先生
「極悪非道」
の意味は
・道理から外れている。
・無上に悪い人間。
・稀に無い悪い事。
になります。

<怖い意味だと感じる理由>

これは一番直感的に分かる熟語ですが、

「極悪」そして「非道」の両方とも、

似たような意味合いがあります。

 

「極悪非道」の

「極悪」は「ものすごい悪いこと」

「非道」は「人の道を外れた行い」です。

 

似た意味の言葉を合わせることで、

より凶悪な悪人であることを示しています。

 

「極悪非道」とほぼ同じ意味の類義語には、

「悪逆非道(あくぎゃくひどう)」

「大逆無道(たいぎゃくむどう)」

があげられ、どれも人の恐ろしさが

直感的に伝わる四字熟語ですね。

 

⑤「狂瀾怒涛」

狂瀾怒涛

◇読み方
きょうらんどとう
◇漢字レベル
狂(きょう):中学生
瀾(らん) :高校以上
怒(ど)  :中学生
涛(とう) :高校以上

 
現在での使い方として

「狂瀾怒涛の時代が終わりを告げる」

などと使います。

ことのは先生
ことのは先生
「狂瀾怒涛」
の意味は
・怒り狂う
・手に負えない状態
・物事が荒れる
になります。

<怖い意味だと感じる理由>

この四字熟語の由来は、

「海や川が荒れ果てている波」

から来ています。

 

「狂瀾怒涛」の

狂瀾は「物事が荒れ狂う」

怒涛は「世の中が荒れ果てている」

を示します。

 

人が怒り狂うような状態にも使えますが、

今起きている社会の状態に対し

「狂乱怒濤」を使うこともできます。

 

日本では少子高齢化やヤングケアラー、

他国であればテロや貧困問題、コロナなど、

世の中が荒れている状態を表せます。

 

人にしても社会にしても、この四字熟語を

使うことが無いことを祈りたいですね。

 

⑥「影駭響震」

影駭響震

◇読み方
えいがいきょうしん
◇漢字レベル
影(えい) :中学生
駭(がい) :高校以上
響(きょう):中学生
震(しん) :中学生

 
現在での使い方として

「地震の影響で、

今でも影駭響震になってしまう」

などと使います。

ことのは先生
ことのは先生
「影駭響震」
の意味は
・びっくりして恐れる。
・すごく驚く。
・物音に反応する。
になります。

<怖い意味だと感じる理由>

「影駭響震」の

影:影の恐怖から震える

駭:驚き、緊張する

響震:災害のような音に驚き恐怖する

となります。

 

とにかく驚き恐怖する感覚がよく伝わり、

私も大震災経験者ですが

今でもたくさんの方が

心の傷が残っていると思います。

 

日本は震災国なので仕方ありませんが、

忘れたころにやってくるのが災害、

今一度防災対策を勉強しておきましょうね。

 

「影駭響震」の類義語はも少し難しい

「風声鶴唳(ふうせいかくれい)」です。

 

意味は「少しのことで驚く」となります。

 

⑦「疑心暗鬼」

疑心暗鬼

◇読み方
ぎしんあんき
◇漢字レベル
疑(ぎ) :小学6年
心(しん):小学2年
暗(あん):小学3年
鬼(き) :中学生

 
現在での使い方として

「疑心暗鬼に陥り、人と話すのが怖い。」

「犯罪は周りの人を

疑心暗鬼にする卑劣な行いだ。」

などと使います。

ことのは先生
ことのは先生
「疑心暗鬼」
の意味は
・周りの人全てを
疑ってしまうこと
・何でも無いのに、
恐怖を感じる
・疑いの気持ちがある
になります。

<怖い意味だと感じる理由>

最後の紹介となりますが、

今までの四字熟語と比べて

パンチが弱い言葉

と思った方も居るかもしれません。

 

しかしある意味、現代社会において

一番多くの人が奥底にこの恐怖を感じて

生活をしているのではないでしょうか?

 

「疑心暗鬼」の

「疑心」疑う心

「暗鬼」闇の中にいる鬼

を表します。

 

心の中にある闇により人を疑う、

そんな「疑心暗鬼」の由来は古代中国の

「列子」という書物に始まります。

 

ある日、鉞(まさかり)を

無くしてしまった男性がいました。

 

この男性は隣人が盗んだと疑い、

すると全ての隣人、全ての行動が

怪しく思い始めて恐怖を感じました。

 

しかし結局、無くなったと思った鉞は

自分が他の所に置き忘れていた

だけだったのです。

 

普段の生活ではどうしても、

「人からどう思われているか?」

「今の発言や行動は大丈夫だったのか?」

「外見がどう見られているか?」

などを気にしてしまいます。

 

現代社会での怖さと言うのは、

犯罪や災害などよりも

身近でずっと怖いことなのかもしれません。

まとめ
まとめ
今回の四字熟語
「生殺与奪」
「奇奇怪怪」
「冷酷無残」
「極悪非道」
「狂瀾怒涛」
「影駭響震」
「疑心暗鬼」

あなたが一番怖いと思った四字熟語は?

View Results

Loading ... Loading ...

どうでしたか?

四字熟語だけでなく、

「怖い漢字一文字・二字熟語」

もまとめているので、

この記事を楽しんでもらえた方は

こちらも読んでみて下さいね。

他の記事も見る

この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。