娘

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敬語の中には、「名称」に関しても

丁寧な表現が存在します。

ことのは先生
ことのは先生
例えば、
自身の息子の場合
「愚息」
と言う謙譲表現
もあります。

しかし、相手の息子さんに対して

「愚息」と言うと、

とんでもない失礼に当たるのは

言うまでもないでしょう。

 

名詞の敬語は動詞のように法則も少なく、

その言葉を知っておく必要があります。

 

ここでは、「娘」という名詞について

敬語表現をご紹介したいと思います。

「娘」の尊敬語は?

尊敬語

お客様や上司の娘さんの場合に使う尊敬語。

 

特にTPOに応じた使い分けが

必要となる敬語でしょう。

 

ここは少し畏まった言い方になりますが、

①「ご令嬢」

②「お嬢様」

③「ご息女様」

という言い方が一般的に使用されます。

 

ちなみに息子の場合であれば、

①「ご令息」

②「ご子息」

等の使い方が一般的です。

 

結婚式での祝辞の際や冠婚葬祭の時に、

先方が両親である場合によく使わます。

「娘」の謙譲語は?

謙譲語

冒頭で少しふれましたが、

自身の息子のことを、

③「愚息」

④「倅(せがれ)」

で謙遜の意味を込めて言います。

 

一方、「娘」の場合には

あまり聞いたことがないように思えますが、

これは日本の歴史上の問題でもあります。

 

娘の語源を辿ると、

「娘」という表現そのものが

既に謙譲的な意味合いになっている

ということです。

 

したがって、

「息子」の場合のように

呼び名が変わることはありません。

 

そこで、自身の娘を謙譲的に言うとしても、

④「うちの娘は・・・」

と言う表現で謙譲的表現になります。

 

ただし、文語文的な表現として

「娘」をへりくだって指し示す場合に、

⑤「愚女(ぐじょ)」

⑥「拙女(せつじょ)」

と言ったりする場合があります。

 

しかし、すでに現代社会では

死語に近い言い方になっています。

 

両者とも「女」と表記があるため

自分の妻に使っている誤用もありますが、

ここで言う「女」は「娘」の事です。

「娘」の丁寧語は?

丁寧語

相手方の娘さんを丁寧な表現で言う場合には、

⑦「娘さん」

⑧「(名前)さん」

で良いでしょう。

 

口頭での話の中で出て来る

低年齢の娘さんの場合には

⑨「(名前)ちゃん」

で十分丁寧な言い方でしょう。

 

なお、自身の娘の場合は

丁寧な表現は行わないのが一般的です。

 

息子さんの場合も

⑤「息子さん」

⑥「(名前)さん」

⑦「(名前)くん」

となります。

 

どうでしたか?

今回紹介した「娘」の敬語をまとめると、

①「ご令嬢」

②「お嬢様」

③「ご息女様」

④「うちの娘は・・・」

⑤「愚女(ぐじょ)」

⑥「拙女(せつじょ)」

⑦「娘さん」

⑧「(名前)さん」

⑨「(名前)ちゃん」

となります。

 

状況に応じて使い分けないと、

非常に違和感の出る名詞ですので

十分注意しましょうね。

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。