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あなたは、日常で話す言葉を
本当に正しい意味で使えていますか?
意味や使い方を間違えられやすい言葉は
数多くあります。
普段話相手が使う単語でも
知らない単語がふと
出てくることありますよね。
今回は、分かりにくい単語の中から
「いみじくも」という言葉
について説明します。
「いみじくも」の意味は?
「いみじくも」の意味
- 「適切に」
- 「上手く」
があります。
物事が順調に進んでいる時などに、
肯定的な意味として使われます。
間違えて、
- 「恐れ多く」
- 「偶然」
などの意味で
使われていますが、
そういう意味は無いため注意して下さい。
「いみじくも」の語源は?
「いみじくも」は、
古語の「いみじ」の
連用形「いみじく」と係助詞の「も」
から成り立っています。
「いみじ」は、「忌み」が語源
となっています。
「忌み」は、
- 「穢れを避けて慎む」
- 「死・不浄などはばかりある事」
という意味があります。
「忌」という漢字には、
ほとんどの人が負のイメージを
持つと思いますが、
「忌」には「清浄の忌」「穢れの忌」
があります。
「忌み」を語源としている「いみじ」にも、
否定的な意味
- ひどい
- 恐ろしい
- 悲しい
肯定的な意味
- 嬉しい
- 素晴らしい
という合いが混在しています。
これは、「忌」という意味に
「清浄」と「穢れ」
の2つの面がある事と
関係していると考えられます。
「いみじ」には、その他にも
度合いが大きい事を表す意味
- はなはだしい
- 並々でない
もあります。
これは死や不浄のものを畏怖する気持ちや
その非日常的な状態を表す表現が
変化したものと考えられます。
しかし、時代が進み長く使われる間に
「いみじ」の意味が変わっていきます。
負のイメージが強い「忌」
という漢字を使わない事で、
負のイメージがなくなったために、
次第に否定的な意味で
使われる事がなくなり
肯定的な意味で使われる事が多くなります。
こうした経緯で、
「いみじくも」は肯定的な意味だけで
使われる事になりました。
古い言葉や正しい意味を知って
大切にする事は良い事です。
しかし、時代の流れとともに、
言葉の意味が変わるのは
いつの時代も変わりません。
現在でも、「やばい」が元々の
「危ない」などの否定的な意味だけでなく
「凄い」などの肯定的な意味でも
使われるようになっています。
正しい意味にこだわるだけではなく、
相手にわかりやすい言葉を使いましょう。
また、
同じ「いみじ」を語源としていて、
現在も使われる「いみじき」
という言葉をご存知でしょうか?
この記事の監修者

- 現役の国語教師です。形式的なWeb辞書のようなものではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえるサイトを目指します。
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