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言葉の意味はだんだん変わってくるのは

よくあることです。

 

個人的にはその感覚に合った

使い方をすれば、

それで良いと思います。

 

そんな言葉の一つ「知る由もない」

 

テレビのナレーションや

小説・漫画などで使われる表現であり、

多くの方は聞いたことがあると思います。

 

しかし、これも少し意味を

間違われて使われることが多い言葉です。

 

そこで今回は

「知る由もない」の意味に合わせ、

他にも間違ってるかもしれない

驚きの意味を持つ言葉を

2つ紹介したいと思います。

「知る由もない」の意味は?

よくある用法としては

「……だったが、この時、

Aには知る由もないのであった」

のように使われます。

 

つまり、

「知る由もない」(シルヨシモナイ)

の意味は

「知るための手段も手掛かりもない」

という意味の慣用句です。

 

最近の使われ方を見ると、

「知ろうとすることが出来得ない」

という意味が強いように思われます。

 

しかし、本来の「知る由もない」は

「知る手段がない」という意味ですので、

「知ろうとしても、

そのための手段や方法が思い浮かばない」

と言い換えるのが妥当ですね。

 

では、せっかくなので、

もう少しだけ

間違えてるかもしれない

意味の言葉を見てみましょう。

「物語のさわり」の意味は?

本来の意味から考えれば、

間違って使われている言葉は多くあります。

 

例えば「さわり」という言葉です。

 

「物語のさわり」と言って想像するのは

物語のどの部分でしょうか。

 

おそらく「最初の方」と間違われて

覚えられている方が多いはずです。

 

さわりは「触り」と書いて、

浄瑠璃用語に由来します。

 

義太夫節の浄瑠璃で、

義太夫節が他の流派の曲節の良い部分を

取り入れたことがもとになって、

他流に「触る」ことが由来です。

 

ですので、

曲の聞かせどころ、

つまり

「一番良いところ」

を意味する言葉が「触り」なのです。

「とんでもございません」の意味は?

これは意味というよりは、

用法が歪曲した例です。

 

それは

「とんでもございません」という

つい使ってしまいそうな言葉。

 

「とんでもございません」の

元となるのは

「とんでもない」という形容詞です。

 

この「ない」は形容詞の「ない」なので、

物の有無を表す「ある」「ない」の

「ない」とは全く別です。

 

「はかない」の「ない」と

同じく形容詞の一部の「ない」です。

 

例えば

「儚い」は「果敢ない」とも書きますが、

「はかある」「はかございません」

という言い方をしないのと同様に

「とんでもある」「とんでもございません」

とは言いません。

 

そのため、

「とんでもないことでございます」

「とんでもないことです」

が正しい日本語となります。

 

どうでしたか?

日本語は日本人でも間違えるくらい

難しくて奥が深い言葉ですね。

 

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。