愛月撤灯

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「愛月撤灯」をそのまま考えると、

「月が好きで火を消す?」

のようなイメージが

出るかもしれませんね。

 

今回はこの「愛月撤灯」の解説に合わせ、

せっかくなので各漢字の語源なども

解説していきたいと思います。

「愛月撤灯」の読み方、意味、由来は?

四字熟語

「愛月撤灯」の読み方は
 
「あい・げつ・てっ・とう」

と読みます。

 

意味は

「物事に対する愛情が深すぎて、

度が過ぎるさま」を意味し、

例えば

「彼は本を愛月撤灯しすぎるあまり、

自宅内が本で埋もれてしまっている」

のように使われます。

ことのは先生
ことのは先生
この四字熟語は
中国の唐で
作られた熟語です。
蘇頲(そてい)
という人物が
由来となっています。

この蘇頲の酒を飲む宴会の場で

「月光がとても美しかったために、

周囲の灯りをすべて撤去させた」

という話から作られました。

「愛」の意味、語源は?

読み方:「愛」
音読み:アイ
訓読み:め(でる)、かな(しい)
漢字検定:7級

 
「愛」

「思い慕う」

「異性へ心が引きつけられる気持ち」

という意味を持ち、  

「愛情」「慈愛」などと使います。

 

「愛」という言葉は、

仏教と一緒に日本に伝わりました。

 

これは、仏教の

「愛染明王(あいぜんみょうおう)」

が愛の象徴であったことが由来です。

 

当時は「性愛」の意味を有し、

現代の「愛」の意味とは

多少異なっていました。

「月」の意味、語源は?

読み方:「月」
音読み:ゲツ
訓読み:つき
漢字検定:10級

 
「月」

「天体の一つである月や時間の単位」

という意味を持ち、  

「月光」「年月」などと使います。

 

「月」の語源は諸説考えられていますが、

その中でも最も有力なのは

「太陽の次に光り輝き始めること」

から「つぎ・つく(次)」

と呼ばれるようになったことです。

 

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「撤」の意味、語源は?

読み方:「撤」
音読み:テツ
訓読み:す(てる)
漢字検定:準2級

 
「撤」

「その場所から取り除く」

という意味を持ち、  

「撤収」「撤退」などと使います。

 

「撤」は会意兼形声文字と言われ、

「手」の象形と「鼎(かなえ)」の

象形から成る漢字です。

 

「鼎」の「食事の後片付けをする」

という意味から、

「その場所から取り除く」という意味の

「撤」が生まれました。

「灯」の意味、語源は?

読み方:「灯」
音読み:トン、チョウ、テイ
訓読み:ひ、あかり、ともしび
漢字検定:7級

 
「灯」

「火をともす」の意味があり
 
「提灯」「灯台」などと使います。

 

「灯」は元々「燈」が

旧字として使われており、

「燈」は「炎」の象形と

「器を持ち上げる手」からなる漢字です。
 
 

「灯」はこの「燈」を簡略化した漢字で、

「火が消えにくい道具」を表し、

「火をともす」という意味になりました。

 

どうでしたか?

それぞれの漢字や四字熟語に

色々な由来があるのも面白いですね。

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。