スミレ

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今回紹介する漢字は人の名前にも

よく用いられる「花のスミレ」です。

ことのは先生
ことのは先生
漢字で書けば
「菫」
と書きます。

たった1文字ですが、

あまり見ない漢字だと思います。

 

では、この「菫」の漢字について

色々と解説していきたいと思います。

「スミレ」の漢字は「トリカブト」と同じ?

トリカブト

「菫」と一文字だけ前後関係をなくして書かれると、

それだけで「すみれ」と読める人は

中々いないでしょう。

 

それもそのはず、

漢字検定としても1級の難易度の漢字です。

ことのは先生
ことのは先生
「菫(すみれ)」
音読み:キン
訓読み:とりかぶと
訓読み:すみれ
漢字検定 :1級
JIS漢字水準:第2水準

ここで、タイトルにもある通り、

「トリカブトって読めるの!?」

と思った方も多いはず。

 

これは間違いではなく、

「菫」という漢字の示す植物として

「とりかぶと」があります。

 

トリカブトは日本でも有名な有毒植物ですが、

一般的な文章で示される時には

「鳥兜」と書かれます。

 

しかし、正式には「菫」の文字が

当てはめられています。

 

薄い紫色の花が一般的なスミレに

類似していることから

この漢字が当てられたと考えられます。

 

一般的な園芸店では

「三色(サンシキ)スミレ」「パンジー」

の名で販売されているケースが多く、

ともにスミレ科スミレ属の花になります。

「スミレ」の和名・漢字の由来は?

調査

まず「すみれ」という名前は、

形が「墨」を「入れる」壺に形状が似ていたこと

に由来するとされています。

 

「菫」の漢字は形声文字と象形文字が合体して、

「小さい」という意味合いを持つ漢字

と言われています。

 

近しい漢字として、

「僅」(キン・ワズカ)

「謹」(つつし)み

「謹賀新年」

(キンガシンネン・謹んで新年を寿ぐ)

等に類縁の書き方が用いられています。

 

これらの漢字の全て

「わずかなこと」「小さいこと」

を示す漢字として用いられています。

 

「スミレ」を「菫」と書くのは、

草かんむりに小さいという

意味を加えて作られたと考えられています。

 

この「小さい」という意味の含意には、

「儚げな」「謙譲的」

な意味を持つ漢字として成立しています。

 

植物の「スミレ」の持つ儚げな薄紫色の花には

ピッタリの漢字になっていると考えられます。

「スミレ」の別名は?

類語

一般的な「スミレ」の別名には

「菫々菜(キンキンサイ)」

「相撲取り花(スモウトリグサ)」

という別名があります。

 

そしてややこしいことに、

この「相撲取り花」という名称もまた

「オヒシバ(雄日芝)の別名」

としても充てられています。

 

これは、

①「古来身近にあった小さな植物で子供たちが

相撲遊び(綱引きのような遊び)

のようにしていた植物であった」

②「並んで生えている姿が相撲の力士のように見えた」

という説などがあります。

 

どうでしたか?

「スミレ」の漢字検定1級の漢字ですが、

文字自体は複雑ではないので

これを機に覚えておいて下さいね。

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。