金3つ

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「鑫」は金が3つあるので

「金塊なのかな?」

と思う方も多いかもしれません。

ことのは先生
ことのは先生
こういった
木3つで森など
3つ同漢字から
成る文字のことを
・品字様
(ひんじよう)
と呼びます。

品字様は種類は少ないですが、

その中から「鑫」に注目して

解説していきたいと思います。

 

では、読み方や意味、

使い方あたりを見てみましょう。

「鑫」の読み方は?

読み方

「鑫」の読み方は
 
音読み:キン・コン

音読み:クン・キョク・ピンイン

(中国語の読みではシン)

 

ちなみに、「金」の読み方は

音読み:キン・コン

訓読み:かね・かな こがね

となり、音読みは全く同じ読み方が

あるのが分かります。

「鑫」の意味は?

鑫

「鑫」という漢字には、

・お金や財産が多い様子

・富んでおり栄えている様子

・お椀や丸い器

と、主に3つの意味があります。

 

意味の中でも特に

「お金や財産が多い様子」

を指すようになった歴史が長いです。

 

この漢字の記載がある書物は稀で、

13世紀頃の中国で

(当時は「金」という国)

編纂された本「五音篇海」

(正式名称『改併五音類聚四声篇』)
 
にその記載があります。

 

この本はいわゆる辞書のようなもので、

「収録されている漢字数は約50000字」

と超長編の書物となっています。

 

この本の漢字は様々な文字を採用しており、

それ以外の文献では中々

お目にかかれない漢字が

多く載っていることも特徴の1つです。

 

他にも、本に載っている

漢字の順番が頻出する部首順で、

さらにその部首の画数が

少ない順で並べると言う

当時では優れた辞書だったと言えます。

「鑫」の使い方は?

「金」を3つ重ねた漢字だけあって

たくさんのお金や栄えている様子を

表すのは理にかなっており、

「金をたくさん持っている」

「鑫をたくさん持っている」

のように表現することは可能ですが、

少々当て字感が出るのは否めません。

 

実際に「鑫」がよく使われるのは、

お店の名前に使われることが多いです。

 

やはり、縁起を担ぐためにも使用され

「お店が繁盛して儲かりますように」

という思いが込められています。

 

店名を幾つか挙げますと

「汪鑫・鑫隆園・康鑫・鑫鑫・三鑫飯店」

等々、名前だけでも

何だか縁起の良いお店に思えますね。

 

この漢字はお金がたくさんある様子や

お椀の意味を示すものの他に

「五行」関連でも使用されることがあります。

 

五行とは火、水、土、木、金で成っており、

例えば自分の生年月日や日付、干支なども

この五行の組み合わせによって

成立されているという考えです。

 

どちらかと言うと、スピリチュアルな

意味になってしまいますが、

「自分の運命を決定付ける漢字」

ともされています。

 

どうでしたか?

ほとんど見ることの無い漢字ですが、

逆にお店の名前や何かの

タイトル・キャッチフレーズに

使うのは効果的と言えますね。

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。