ナノハナ

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今回紹介する漢字は花の「ナノハナ」です。

ことのは先生
ことのは先生
実はこの
「ナノハナ」は
植物学的には
存在しません。

漢字の書き方以前に色々複雑なこの花。

 

色々解説していきますが、

まずは正しい漢字を見てみましょう。

「ナノハナ」の漢字は?

漢字

まず、正解を書くと

「菜の花」と言う漢字が正しい表記となります。

 

しかし、ここで一つ注意点があります。

 

ここで「菜の花」は

「菜と花の間に必ず『の』が入ります」

が、稀にナノハナのことを「菜花」と

書いている場合があり、

これは誤表記となります。

「菜の花・菜花」の漢字の違いは?

チェックポイント

先ほど説明したように、

「ナノハナ」はあくまでも「菜の花」であって、

「ナバナ」のことを「菜花」と表記します。

 

現在ではこの両者の誤用を避けるために、

「ナノハナ(菜の花)」は漢字表記

「ナバナ」はカタカナ・ひらがな表記

で指し示す場合もあるくらいです。

 

例えば、三重県にある日本最大級の

植物園・イルミネーション「なばなの里」

のリゾート地の名称もこれに従っています。

 

「菜花」は品種改良された葉物野菜となります。

 

つまり、「菜花」とは

「菜の花が総称となり、その種類の1つが菜花」

となるわけです。

 

この「菜の花・菜花」の具体的な違いでは、

食用とする部分が異なります。

 

「菜の花」の場合、

「蕾(つぼみ)」を食べますが、

「菜花(ナバナ)」の場合、

「葉・茎」を食用にします。

 

また、この「菜花(ナバナ)」の別名は、

「西洋油菜(セイヨウアブラナ)」

とも呼ばれます。

「菜の花・油菜」の漢字の違いは?

漢字

「油菜」は「アブラナ」と読み、

アブラナ科の二年草です。

 

「油菜」は古く中国から伝来した植物で、

その名の示すように種子から

菜種油が採取できます。

 

その若葉は食用になり、

「油菜に花が咲いた状態の時を菜の花」

と呼んでいます。

 

つまり、油菜と菜の花は実質同じで、

時期によって菜の花に変わるという

非常に複雑な表記となっているんです。

「ナノハナ」の漢字の由来は?

既にお分かりのようにナノハナ関連は、

「菜」という漢字が全て用いられています。

 

この「菜」という漢字には、

「葉、茎、根などを食用とする草花の総称」

として用いられ、古い時代では

「おかず」「副食」

の意味でも使用されていた漢字です。

 

「菜」の漢字自体、ある種象形文字から

変遷してきた歴史を持ちます。

 

草を示す「草かんむり」の下に、

「木の実や葉を手で摘み取る」

という意味の「采」が組み合わさり

「菜」という漢字が出来上りました。

 

これらのことから、「菜」と言う漢字は

「野菜」「水菜」「惣菜」「主菜」「副菜」

などに用いらているんですね。

 

どうでしたか?

「菜」が付く漢字ではレタスを

「萵菜(わさい)」と書かれたりするので、

非常に難しい熟語もあります。

 

今回の「菜の花」は、

漢字よりも花自体が複雑だったかもしれませんね。

 

漢字だけでなく色々な雑学から

面白いと思って頂けたら嬉しいです。

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。