この記事は約 1 分で読めます。

 
「KOH(水酸化カリウム)の

分子量を調べたい。」

 

これには間違いがあります。

 

KOHの場合は、分子量ではなくて、

式量と言わなければいけません。

 

分子量の計算方法や分子量と式量の違いを、

KOHを例に挙げて説明します。

 

今回はそんな「KOHと分子量」

についてまとめました。

KOH(水酸化カリウム)って何?

 
水酸化カリウムとは、

カリウムイオンと水酸化物イオンが

イオン結合をした水酸化物です。

 

硬くて脆い白色の結晶で、

水によく溶けて、強アルカリ性を示します。

 

強い腐食性があるため、

皮膚や服などに付かないようにするなど、

取り扱いに注意が必要です。

 

化学式はKOHです。

では、本題である

分子量と式量について見ていきましょう。
 

分子量、式量とは?


 
分子量とは、その分子式に含まれている

全ての原子の原子量

(質量12の炭素原子を

12とした時の相対質量)

の合計の事を言います。

 

分子の大きさを示すもので、

原子量と同じく、相対質量を表しているので

単位をつける事はありません。

 

分子量は、分子式を利用して

簡単に求める事ができます。

 

例えば、二酸化炭素の場合は、

化学式がCO2で、

C(炭素)の原子量が12.01

O(酸素)の原子量が16.00

なので、

二酸化炭素の分子量は

「12.01+16.00×2=44.01」

となります。

 

これに対して、

式量は化学式に含まれている

原子の原子量の合計の事を言います。

 

主に、イオン結合をした結晶などの組成式や

イオンを表すイオン式に用いられますが、

広義の意味では、

分子式も含まれる事があります。

 

分子量と同じく、相対質量を表しているので

単位をつける事はありません。

 

式量は、化学式を利用して

簡単に求める事ができます。

KOHの分子量、式量は?

 
KOH(水酸化カリウム)は、

イオン結合をした結晶なので、

式量にあたります。

 

KOHに含まれている原子の原子量は、

K(カリウム)が39.10

O(酸素)が16.00

H(水素)が1.01

なので、

KOHの式量は、

「39.10+16.00+1.01=56.11」

となります。

 

分子量や式量に、

g/molという単位を

つけている事がありますが、

この単位がついた場合は、

モル質量と言われ、

そのものの1molあたりの質量

を表しています。

 

KOH(水酸化カリウム)は

イオン結合をした水酸化物のため、

相対質量を示すものは

式量という事になります。

 

分子量と式量は元となる基準も

計算方法も全く同じですが、

対象となるものが、

分子量は分子、式量は

化学式(主に組成式)となっています。

 

これだけの事を理解しておくだけで、

これらの言葉によって混乱する事がなくなり、

その先の理解もしやすくなります。

 

しっかりと覚えておきましょう。
 

他の記事も見る

この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。