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食欲、性欲、睡眠欲。
 

誰もが持っている3大欲求の中でも

心理学者マズローが捉えた

欲求は5段階ある説を

聞いたことありますか。
 

知っている方も、知らない方も

今回紹介する

マズローの欲求5段階説

について一度考えてみましょう。
 

マズローの欲求5段階説とは?

アメリカの心理学者マズローは、

人間の欲求に5つの階層構造が

あることを指摘しました。
 

欲求の5段階説は

「自己実現理論」

と書かれることもありますが、

自己実現のための方法論ではないことに

注意が必要です。
 

5つの階層は下から順に

  • 「生理的欲求」
  • 「安全欲求」
  • 「社会的欲求」
  • 「承認欲求」
  • 「自己実現欲求」

と分けられています。
 

また、下から4つまでは

「欠乏欲求」

最も上位の自己実現欲求は

「存在欲求」

と呼ばれます。
 

それでは、

それぞれの欲求について説明していきます。
 

「生理的欲求」とは?


 
食欲・睡眠欲などが「生理的欲求」

にあたり、人間が生き続けるために

必要な行動をするよう促します。
 

生きるか死ぬかの状況では、

これらの欲求が

優先されることが多くなります。
 

ただし最も上位に来るわけではなく、

内戦などの危険地帯では

どんなに空腹でも安全な場所を

まず求めるでしょうし、

寝る間を惜しんで上位の欲求を満たすために

行動することは往々にしてよくあります。
 

「安全欲求」とは?


 
身の安全はもちろん、

お金の心配がないこと、

病気にかからない,

かかっても対処できるような状況を

求める欲求が「安全欲求」です。
 

将来の就職のために大学を卒業しておきたい

というのは安全欲求に関わる考えです。
 

日本の学歴社会では大卒資格があれば

ある程度の収入が見込めますから、

経済的な保険という意味で

これは安全欲求に関わっています。
 

「社会的欲求」とは?


 
自分が社会から必要とされており、

そこに居場所があるという

実感を求める欲求を

「社会的欲求」

と言います。
 

「社会」といっても

それほど大きなことではなく、

誰かに愛されているということも含みます。
 

「承認欲求」とは?


 
承認欲求には

上位と下位の2つがあります。
 

下位の欲求は

  • 「皆に大切にされる」
  • 「注目を浴びる」
  • 「高い地位につく」

といったもので、

他者から認めてもらうことに

主眼を置いています。
 

「自己実現欲求」とは?


 
誰にも邪魔されず

自分の力を十分に発揮したい、

あるいは「なりたいものになるんだ」

という欲求が

「自己実現欲求」

です。
 

5つの欲求のうちで

最も上位のものとして

マズローに紹介されました。
 

自己実現の段階にある人々の特徴は、

ともすれば完璧な人間のように見えます。
 

誰に対しても心が広く、

悪意のないユーモアを備え、

創造的で…。
 

これについては、

「実際の自己実現的な人々は

決して完璧などではない」

とマズロー自身も注意を促していますし、

誤解の内容注意しましょう。
 

マズローの欲求5段階説への評価は?

この理論には様々な

批判が寄せられています。
 

まず、マズローによる

調査対象が少なすぎること。
 

条件を満たした人々が

23人しか見つからず、

さらに内9人は歴史上の人物でした。

 
このことはマズローが自分の理論に

都合の良い人を選び出したのでは、

という疑念を呼んでいます。
 

サンプル数の少なさについては

マズロー自身も認めています。
 

 
また、欲求の階層は下から順に

発展していくといわれていますが、

この順番にも疑問があげられています。
 

これは「安全欲求」の見出しで

お話ししたように、

多少順番が前後することは

マズローによって解説がなされています。
 

この他にも様々な批判はありますが、

前提として十分なサンプルが

集まっていないため、

元々不完全な理論であると言えそうです。
 

科学的な理論としては不完全ですが、

この階層のアイデアは

マーケティングやコミュニケーション、

組織の運営などのヒントとして

活用されています。
 

頼りきることなくそれを便利に使うならば、

マズローの考えた欲求モデルは

意味のあるものになるのかもしれません。
 

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この記事の監修者

ことのは先生
ことのは先生公立高校国語教師・漢字検定準1級
現役の国語教師です。形式的なWeb辞書ではなく「分かりやすい!面白い!」と思ってもらえる記事を心がけています。時折頂く皆さんからのコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。