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「KOH(水酸化カリウム)の
分子量を調べたい。」
これには間違いがあります。
KOHの場合は、分子量ではなくて、
式量と言わなければいけません。
分子量の計算方法や分子量と式量の違いを、
KOHを例に挙げて説明します。
今回はそんな「KOHと分子量」
についてまとめました。
KOH(水酸化カリウム)って何?
水酸化カリウムとは、
カリウムイオンと水酸化物イオンが
イオン結合をした水酸化物です。
硬くて脆い白色の結晶で、
水によく溶けて、強アルカリ性を示します。
強い腐食性があるため、
皮膚や服などに付かないようにするなど、
取り扱いに注意が必要です。
化学式はKOHです。
では、本題である
分子量と式量について見ていきましょう。
分子量、式量とは?
分子量とは、その分子式に含まれている
全ての原子の原子量
(質量12の炭素原子を
12とした時の相対質量)
の合計の事を言います。
分子の大きさを示すもので、
原子量と同じく、相対質量を表しているので
単位をつける事はありません。
分子量は、分子式を利用して
簡単に求める事ができます。
例えば、二酸化炭素の場合は、
化学式がCO2で、
C(炭素)の原子量が12.01
O(酸素)の原子量が16.00
なので、
二酸化炭素の分子量は
「12.01+16.00×2=44.01」
となります。
これに対して、
式量は化学式に含まれている
原子の原子量の合計の事を言います。
主に、イオン結合をした結晶などの組成式や
イオンを表すイオン式に用いられますが、
広義の意味では、
分子式も含まれる事があります。
分子量と同じく、相対質量を表しているので
単位をつける事はありません。
式量は、化学式を利用して
簡単に求める事ができます。
KOHの分子量、式量は?
KOH(水酸化カリウム)は、
イオン結合をした結晶なので、
式量にあたります。
KOHに含まれている原子の原子量は、
K(カリウム)が39.10
O(酸素)が16.00
H(水素)が1.01
なので、
KOHの式量は、
「39.10+16.00+1.01=56.11」
となります。
分子量や式量に、
g/molという単位を
つけている事がありますが、
この単位がついた場合は、
モル質量と言われ、
そのものの1molあたりの質量
を表しています。
KOH(水酸化カリウム)は
イオン結合をした水酸化物のため、
相対質量を示すものは
式量という事になります。
分子量と式量は元となる基準も
計算方法も全く同じですが、
対象となるものが、
分子量は分子、式量は
化学式(主に組成式)となっています。
これだけの事を理解しておくだけで、
これらの言葉によって混乱する事がなくなり、
その先の理解もしやすくなります。
しっかりと覚えておきましょう。
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